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半衿の大切さ

半衿の大切さ

半衿がきれいだと

着姿が整う

衿元がきれいに見えるかは半衿で決まる事が多い

夏の絽の半衿
お着物を着る時に、まず皆様、苦戦されることに「衿元」があります。
お衿元とは、喉の下〜胸元の上あたり。お着物のお衿と、お着物の下に着ている長襦袢の白いお衿(=半衿)のあたりを指します。
レッスン終盤の着姿の確認の時には、「今日は衿が上手くいった」とか、「衿がグズグズしてしまった」などの会話がよく飛び交います。

そのお衿元に起きる問題は、主に以下のようなものがあります。

・角度が左右対称ではない
・半衿(=長襦袢の白い衿)が隠れてしまう
・逆に出すぎてしまった
・なんだかヨレヨレする

この中でも、今日は「なんだかヨレヨレする」というものに注目してみようと思います。

「上手に着ればヨレヨレしないはずだ」とお考えになる方も多いのですが、
実は、上手に着ても解決しない場合が沢山あります。
なぜなら、【そもそもの「半衿の付け方」】が原因の場合も多いからです。

(着物の衿を引っ張りすぎない、長襦袢の胸紐を緩くしすぎないなどを気をつければ、ある程度改善されることももちろんありますが今回は割愛)

半衿がきれいな例①

 まず、ビフォーアフターのように、良い悪いの実例を写真で見てまいりましょう。
こちらはしっかりとコツを抑えて半衿を付けた例です。

※これからいくつか紹介する写真で、お着付けの内容や出来はほとんど変わりません。

半衿を丁寧にたるみがないように長襦袢に縫い付けていますと、着物の重さにも負けずに、綺麗なお顔を覗かせてくれます。

半衿がきれいな例②

こちらも、しっかりと付いている例です。
私は、半衿に少し厚みがあるのが好みですので、半衿を数枚を重ねてつける事もあります。
(数枚重ねる一番の目的は、楽をする事です。汚れたら、その都度付け替えるのではなく、ただ剥いでいけば済むようにそうします。お茶の先生や歌舞伎役者の奥様など、普段からお着物が多い方もそうしていると聞いた事があります。)

適度な厚みがあると、これもまた、ピーンと張って、半衿付けをしやすく、お着物を着た後もお着物の重みに負けず、ヨレヨレしません。

半衿がきれいな例③

好みもありますが、これは、初めからとても分厚く出来た半衿です。
針と糸を使わず天衣無縫で、着付けテープなどを使って付ける時などに便利です。

この時は撮影でしたので、頻繁には半衿をチェックする時間がないだろうと見越し、お着物の重さや身体の動きに影響を受けにくい、こちらの半衿にしました。(少しは縫いましたが)
実際、撮影中は衿元はほとんどチェックしませんでしたが、綺麗にキープしてくれました。

きれいではない例①

こちらが、元々シワが出来やすい状態で付いている半衿の例です。
この後、色々、適切な場所を引き、ヨレヨレは一時的に少しは解消されますが、段々とこの写真のように戻ってしまいます。

「お着物は初めに着あがった姿に戻ろうとする」のです。

この写真の半衿は、長襦袢につけた時点で、既にうっすらとたるみがあります。着てみると、それがますます目立つようになるのです。

きれいではない例②

こちらも少しヨレッとしています。少し見えづらいかもしれませんが、キワのラインを見てみると波打っているのが分かります。

 以上ご紹介した、良い例、悪い例はいかがだったでしょうか?
半衿のヨレヨレは、半衿のつけかた次第で、きれいな衿元になるということを、なんとなくお感じいただけたかと思います。

どのように半衿を付けたら良いのか?

 では、どのように半衿を付けたら良いのか?という事ですが、一番のポイントは、「着た後を想像しながらつける」事です。

半衿を長襦袢につける時には、普段縫いものをする時と同じように、縫いやすいよう長襦袢も半衿も伸ばしてつけます。
ですが、実際に長襦袢を着る時には、首の後ろの衿はカーブしますし胸元も直線ではありません。
そこで、後ろのカーブを想定して、少し突っ張らせながらその部分は付け、人から見えやすい内側(うなじの部分の内側の衿)をなるべく綺麗になるようにします。

片側を端から端まで縫い終わって、さて、もう片側を縫いましょう、と半衿を半分に折る時には、長襦袢の衿にきちんとそわせ、布が余ることがないようにします。
特に外側(衿元から結果として見える部分)には、気を配り、ピンと張るように意識して縫っていきます。

こう聞くと、難しいとお感じになるかもしれませんが、衿の中心の10〜15センチほど細かく止めれば後はザクザクと大まかに縫っても構いません。
コツを抑えつつも、簡単な縫い方もあります。(私は普段それです。)
私は、裁縫が得意な方ではありませんが出来ていますので、皆様も安心して簡単なやり方できれいに付けてみてくださいね。

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